山形県沖地震 活動記録

述べ派遣人数:25人
ブルーシート掛け件数:7棟
活動期間:2019年6月22日〜6月26日(5日間)

災害データ

2019年(令和元年)6月18日 午後10時22分 発生
M6.7
最大震度6弱

山形県沖地震

2019年6月18日22時22分に、山形県沖を震源とした震度6強の『新潟・山形地震』が発生。
山梨県・長崎幸太郎知事から当協会に「新潟県村上市府屋地区」の出動が要請されました。

日時 令和元年6月22日(土)午後1時 資材積み込み・出発
期間 23日より支援活動開始。約2週間の予定。
人員 当協会登録70余名より選定
活動内容 一部損壊した屋根の応急措置(簡易補修、ブルーシートによる保護等)
新潟県村上市内 目標:50〜70棟
資材等 工事車両、木材・付帯機具・工具類持参

6月22日第1陣の出発

PM:13:00 出発式

第一陣 出発メンバー

  • 石岡博実 イシオカ・ヒロミ(65)
  • 姫田順郎 ヒメダ・ジュンロウ(66)
  • 田辺 明 タナベ・アキラ(57)
  • 渡辺 洋 ワタナベ・ヒロシ(42)
  • 桃原広行 モモハラ・ヒロユキ(23)

現地での作業の様子

大地震災害の際には自衛隊の方々による屋根のブルーシート掛けも行われますが、屋根にブルーシートを被せて土嚢を置くといった簡易な方法に止まります。
被災直後の応急処置ですので、強い風が吹くとブルーシートがはがれてしまい、雨が降ると屋根の破損した部分から雨が漏ってしまいます。

屋根のプロ集団である当協会では、風が吹いても飛ばないようにブルーシートを材木で固定する施工を行います。
この方法であれば、半年ほどは雨漏りの心配なく過ごすことが出来ます。

関係各所との打ち合わせ

6月23日:村上市・竹内総務課長より被災地の状況報告を受けたのち、府屋社会福祉協議会の加藤支所長との打合せに臨みました。

被災家屋の様子

すでにブルーシートで応急処置がされた家屋が見受けられましたが、土嚢でブルーシートを押さえるこの方法では風に弱く、本格的な修繕ができるようになるまで持ちこたえることができません。

【建物応急危険判定】赤…危険/黄…要注意/緑…検査済み

ブルーシート掛けの様子

山梨県防災局危機管理課の職員と合流しました。

新聞への掲載

2019年6月23日 朝日新聞デジタル
https://digital.asahi.com/articles/ASM6Q4J2VM6QUZOB002.html

vol-niigata

レポート

代表理事 石岡より

昨年の「大阪北部地震」に続いて協会としては2度目の出動であり、弊社としては9度目の「屋根にブルーシート張り隊」のボランティア活動となりました。
現地到着の翌日23日・朝8時に村上市・竹内総務課長から現状報告を受け、約50分の道のりを被害の大きい府屋地区に向かい、斎藤支所長との打合せを終え、社会福祉協議会・加藤支所長との連携のもと、屋根の雨漏りを止めるべく早速活動を開始しました。

大阪北部地震も、今までの被災地もそうですが、巷では悪質業者がシート張りを行っていました。
被災地での家屋の雨漏りは死活問題であり、壊れた屋根から、天井・壁・クロス・畳・家具・タンス・電化製品などに雨が容赦なく降り注いでいきます。被災された方にしてみれば、苦肉の策で悪質業者に依頼を余儀なくされているのが現状です。地域の防災無線では、悪質業者に気を付け警戒をするよう勧告も出されていました。
そのような中で、山梨県からの派遣は、役所の方々も一緒に訪問して頂き、ブルーシート張りに励むことが出来ました。
今回の新潟県の被災地は、大阪の地震と比べて密集地域ではなかったのが不幸中の幸いか、甚大な被害ではありませんでした。危険度を判定する「赤・黄・緑」のステッカーは、合わせて385棟で、大阪は震度6弱で3万棟を超えていました。
大阪に比べて被害が少なかったのは、雪国特有の建物の構造がその理由と言えるでしょう。新潟の建物は、柱・梁・根太受け・筋交いにしても殆どが大きな材木を使用しています。つまり、揺れに強い住宅が多いという事です。また、海岸沿いに殆どの人が住まいを構えておりながら、津波が来なかったのも幸いでした。
そうした状況であったため、今回の活動は4日間で終了することが出来ました。

今回の大きな成果は何といっても、山梨県の長崎知事の決断の早さでありました。
奇しくも昨年の、大阪(震度6弱)と同じ6月18日でありましたが、今回は19日の朝、長崎知事より電話で「すぐ行くことは可能でしょうか?!」との連絡が入りました。被災者の為に向き合うとの強い想いの一言に呼応することが出来ました。それも4日後です。
さらに驚くことは、災害時における山梨県との協定書を交わすことが出来た事です。それも、殆どの協定が半年かけるところを、3日間で協定が出来たのは前代未聞の事だそうです。

これができたのは、長崎知事は衆議院議員当時、熊本の被災地に赴き弊社と一緒にブルーシート張りを行った経験があったからこそだと思います。
この時、弊社の作業工程に関心を示して頂きました。さらに被災者からお話を聞き、向き合い、一緒に作業し汗した経験から感じ取れたのではないでしょうか。
どこの行政も、何かしてあげたい、行ってあげたいと思ってはいるのだと思いますが、行動に移す事は一方ならぬ勇気と決断が必要です。
改めて、長崎知事のご決断に心より敬意を表する次第です。

また、今回もご協力いただいた関係各位の皆様に心より感謝申し上げます。
特に、熊本、鳥取、大阪、そして今回の新潟まで、1,000本の木材を届けていただいた「都築木材㈱」様に心より厚く御礼申し上げます。

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